リアルタイム音声分離のための独立成分分析
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概要
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人間には多くの人の会話の中から特定の人の話だけを取り出して聞く能力がある.聴覚心理学ではカクテルパーティ効果と呼んでいる.それと類似した問題として,複数の信号源が発する信号を複数の異なった観測点で観測すると,異なった割合で信号の混合したものが観測される.このとき得られる複数の混合信号から信号源の信号をそれぞれ分離推定する方法が,独立成分分析である.信号源としては,会話(音声)や音楽(楽器)であってもよいし,画像であってもよい.独立成分分析では,信号源の信号に互いの独立性だけを仮定し,信号の分離係数を観測信号から学習によって推定している.現実には,すべての信号源がいつも信号を発しているわけではない.会話は途切れることがあるし,楽器も演奏していないときがある.そのようなときは,独立性の仮定が成り立っていない.実際実験において,信号がない状態では学習が誤った方向に進んでしまう.そこで,信号源の信号の有無に関する情報が必要になる.信号源の信号を分離する問題で信号源の信号の情報を必要とすることは,厳密には矛盾した問題である.しかし,信号源の信号が存在する時間に対して学習速度が十分速ければ,学習途中に得られる情報を基に学習の制御が可能となる.本論文では,学習環境として観測データを再度学習に利用しないリアルタイム音声分離について考察した.2つの信号源について信号源の信号の有無を判定する判定式を提案し,リアルタイム処理で実験した.本論文で提案した方法を自然勾配法と非ホロノーム法と比較検討し,有効性を示した.3つ以上の信号源への拡張も可能である.
- 東海大学の論文
- 2007-03-31
著者
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