子どもを亡くした家族への支援に関する研究 : 闘病にかかわった医療者に対するニーズに焦点をあてて
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的は,子どもが亡くなる前にかかわった医療者に対して,家族が求める支援を明らかにすることである.地方の大学病院小児病棟への入院を経て1歳半〜8歳で亡くなった子ども5例の保護者である計7名に半構成的面接を行い,質的帰納的に分析した.その結果,子どもを亡くした家族は,子どもの闘病期間中に医療者に対して,〈常に確実かつ適切なケアの提供〉と〈子どもおよび家族への配慮〉を求めていた.また,子どもを亡くした後に家族は,子どもの闘病や死など同じ場面を共有した医療者には,その部分について説明することや質問を受けることなく〈思いを聞いて貰うこと〉ができるという点で,胸中を吐露し易い側面があることがわかった.家族が得たい〈親として行った選択への保証〉や〈知りたいことについて教えて貰うこと〉は,子どもの闘病や死に際した医療者からしか得られないものであった.
著者
-
大川 貴子
福島県立医科大学看護学部
-
古橋 知子
福島県立医科大学看護学部応用看護学部門
-
岩井 さとみ
福島県立医科大学附属病院看護部
-
渡邉 敦子
福島県立総合衛生学院看護学科
-
大川 貴子
福島県立医科大学 看護学部
-
大川 貴子
福島県立医科大学看護学部心理社会看護学部門精神看護学領域
-
大川 貴子
福島県立医科大学看護学部ケアシステム開発部門
関連論文
- 子どもを亡くした家族への支援に関する研究 : 闘病にかかわった医療者に対するニーズに焦点をあてて
- 再入院した統合失調症患者の症状マネジメント習得と支援体制確立に向けたケア
- 六曜が退院日決定に及ぼす影響(第2報) : クリティカルパスと退院日決定との関連についての検討
- 早めの発見と予防--そのためにできること (特集 イレウスの看護を確認しましよう)
- イレウスの原因、治療と看護 (特集 イレウスの看護を確認しましよう)
- 新卒看護師が認識する先輩看護師からのサポート
- 六曜が退院日に及ぼす影響とその関連要因の分析
- 入院精神障害者の身体合併症の実態とケア上の困難さの分析
- EBNにおける質的研究(4)当事者の体験世界とEBN
- ケース・プレゼンテーション セルフケアモデルによる事例展開
- 多職種チームアプローチにおける情報の伝達と共有 (特集 小児看護で求められる情報の処理と管理) -- (知っておきたい知識)
- 多職種チームにおける看護師の働き (特集 小児看護における多職種チームアプローチ)
- 「圧迫」と「組織耐久性」からみた精神科病棟での褥瘡発生要因
- 看護職員の増員(7対1入院基本料導入)が看護の質にもたらす変化 : 有害事象の発生率を指標としたアウトカム調査-
- 3ヶ月以内で退院した統合失調症患者に行われたケアと退院後の生活の実際
- 急性期治療病棟における統合失調症患者の退院に関わる看護師の判断 : 看護師のインタビュー調査より
- その他の技術 症状緩和の技術 (特集 ようこそ小児看護へ--はじめて小児に携わる看護師のために)
- 看護職員の増員(7対1入院基本料導入)が看護の質にもたらす変化 : 「看護サービスに対する患者の意識調査」および「看護職員の意識調査」の結果より
- 入院精神障害者の身体合併症の実態とケア上の困難さの分析
- お互いの専門性を理解し,信頼,尊重し,力を出し合う (特別寄稿 小児看護CNSの認定を受けるまでの活動と今後)
- 再入院した統合失調症患者の症状マネジメント習得と支援体制確立に向けたケア
- 福島県立医科大学における学内および心のケアチームでの活動を通しての災害時覚え書き(理事会企画セミナー:看護師による災害支援の実際-私たちはどうしたか?-,第21回日本精神保健看護学会学術集会)
- 東日本大震災・原発事故に対するこころのケア活動 : 福島県相双地域における福島県立医科大学心のケアチームからの報告
- 福島県における現状と課題(理事会企画ワークショップ:東日本大震災において今できること?-中長期支援の課題-,第22回日本精神保健看護学会学術集会)