欲望のイコノグラフィーと近代個人主義 -メアリー・ロウスのソネット集『パンフィリア』について
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概要
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メアリー・ロウスの恋愛ソネット集『パンフイリアからアンフイランサスへ』(1621)は、イギリス・ルネサンス抒情詩の支配的様式であるペトラルカ恋愛詩の伝統に立脚しながら、(1)女性の男性に対する求愛の詩であること、(2)欲望を聖化し愛のイコノグラフィーを改変していること、(3)家父長制への公然たる叛逆であることで、伝統への果敢な挑戦であるといえる。ここでは伝統的な恋愛詩のイコノグラフィーは大きく撹乱されているが、それは欲望の詩人ロウスの激烈な自己実現の戦いの痕跡であり、同時に近代個人主義に向かう歴史の一部であった。
- 2009-03-31
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