母乳育児が困難な状況にある母親の心理状態と求める介入 : 退院後から生後6ヶ月までの状況より
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概要
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母乳育児を継続している母親が,退院後どのような状況から授乳困難に陥るか心理状況を含め明らかにするとともに,その時に求める介入は何かを明らかにすることを目的に,施設を退院後6ヶ月までの期間に授乳困難となった母親の調査を行った.授乳に困難を生じ,退院後に助産師の介入を求めた母親に半構成的面接法による聞き取り調査を行い,質的に分析を行った.その結果,母親は母乳育児を選択するにあたり,「自然な営み」「授乳への憧れ」また「母乳の良さ」を【A.動機】としていた.実際の授乳で母親は,「授乳の嬉しさ」など【B.母親の実感】を感じる一方,授乳困難な状況としては入院中での「期待ハズレのケア(納得いかない授乳指導)」があった.また,入院中から退院後も「自然にできない」もどかしさや「子どもへの罪悪感」があり,自然にできると予期していた母親の期待と対立しあっていた.退院後,授乳困難な状況から助産師に介入を求める時期は退院直後が最も多く,この介入では,「信頼」「一対一でのつながり」のラポール形成を基礎とする,【D.援助者との関係】が母乳育児継続にむけての重要な要因となっていた.母乳育児に困難を生じた母親への介入は,援助者との関係が母親を授乳継続の方向に導き,母乳育児成功へつながるということが示唆された.
- 新潟県立看護大学の論文
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