静力学で教えたいこと : あるテストの結果から
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概要
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数年間の高校物理の授業を通して,生徒の中に「力」の概念が充分に形成されていないことを感じて来たが,一昨年の定期テストでそれが全く正しかったこと,そして私自身の認識の甘さと取り組みの弱さを強く思い知るに至った.高校生の大部分は力がわかっていない,見えていないのである.テスト結果の分析などから得た主な点は,「物体Bが物体Aに及ぼす力」という表現に対する「物体Aが物体Bから受ける力」という表現の優位性・わかりやすさである.力を受けている物体が文章表現上,主語に相当しているだけに,「接触してこそ力を受ける」という原則に対して例外の力である重力の理解にも,作用・反作用の関係とつりあいの関係の区別と関連をつかむ上でも,理解を容易にし早めることが期待される.高校生の力の概念形成に向け,特に力を見えるようにするために,F^^→A←B(物体Aが物体Bから受ける力の意)という表し方と共に「受ける力」という表現・視点に立つことを,静力学の学習に時間を割く必要性と共に述べている.
- 1987-03-10
著者
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