禁煙治療の医療経済評価に関する系統的レビュー

概要

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海外では個別のカウンセリングやさまざまな薬物療法により禁煙治療が実施され,その費用対効果が相次いで報告されている。そこで今回は,薬物療法を中心とした禁煙治療の費用対効果に関する2000〜2007 年の研究論文を収集し,レビューを行なうことを計画した。医中誌とPubmed において,それぞれ「費用分析and 禁煙」,「cost-benefit and (smoking cessation or tobacco use cessation)」の検索語にて検索を実施し,Title およびAbstract 等から条件に合う文献を選択した。条件を満たすものは10 文献で,すべて英語文献であった。海外では,診療の場において,電話・メール・コンピュータなどを使用したプログラムや薬物療法など,様々な禁煙治療に関する費用対効果の検討が行われていた。禁煙治療の薬物療法については,ブプロピオン,ニコチンパッチ,ニコチンガムの順に高価であるが,生存年や質調整生存年等の長期的な効果についてもこの順番で優れており,費用対効果の点からはブプロピオンが推奨されていた。わが国においても,経口補助剤も含めた薬物療法や介入プロラムの費用対効果を検討することが重要な課題と考えられる。
2010-01-31