クララ&ロベルト・シューマン グラーフのフォルテピアノとともに「室内楽演奏会3」で使用された歴史的ピアノについて
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概要
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「静岡文化芸術大学の室内楽演奏会3」で用いられた、浜松市楽器博物館所蔵の歴史的ピアノ(K-0010)は、1819〜20年にヴィーンのコンラート・グラーフが制作したものとされてきた。しかし、今回の演奏およびその録音の収録にあたって行われた現況調査からは、グラーフ作であることが確かめられる他の楽器の特徴を、この楽器が必ずしも共有しているとは言えないことが明らかになった。本楽器の場合、グラーフ作の根拠となり得るのは、事実上鍵盤上部のネームプレートのみである。もっとも、この楽器を直ちに偽作と断じることは早急だと考えられる。今後は、グラーフ作として伝わってきたものの彼自身の参与が不確定な楽器として、「伝グラーフ」と表示することが適切であろう。
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