胸部CT上で計測した漏斗胸における体表測定法の検討

概要

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【目的】漏斗胸における体表からの測定値を胸部CT上で計測し,Haller index(HI)と比較してその有用性を検討する.【方法】2001年8月から2008年1月までの間に当院外来にて漏斗胸と診断された69症例を対象とした.体表からの測定値は,胸部CT上で漏斗胸の最大陥凹部における胸郭前後径,横径,陥凹部の深さを測定し,胸郭横径/(胸郭前後径-陥凹部の深さ)を体表測定値指数(body surface index:BI)としてHIと比較した.【結果】BIとHIの相関係数は0.879であり,p値は0.01以下となり高度に有意差を認めた.HI3.25に対応するBIの値は1.67と考えられ,その他のHIに対応するBIの値もそれぞれ求めることができた.【結論】胸部CT上で計測したBIはHIと有意な相関を認め,BIの臨床上の有用性が示唆された.実際に生体で測定したBIであれば,CTを用いることなく漏斗胸の陥凹の程度を評価することができ,放射線に被曝することはないという利点がある.BIの評価は,今回提案したHIとの対応表を用いることにより可能であると考えられ,今後はCT上ではなく,実際に生体で測定した値から,この評価法の有用性をさらに検討していきたいと考えている.
日本小児外科学会の論文
2009-10-20