ソメイヨシノ由来のゲノムを検出するマーカー・ツールとしての自家不和合性遺伝子と核SSRの利用
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概要
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ソメイヨシノのような園芸品種の大規模植栽はサクラ野生種の遺伝子撹乱を引き起こす可能性がある。本研究ではソメイヨシノからサクラ野生種への遺伝子流動を調べるため,自家不和合性(S)遺伝子の高い多型性に注目して,ソメイヨシノ由来のS対立遺伝子を検出する遺伝マーカーを開発した。サクラ野生種個体から採取した種子を分析したところ,サクラ野生種個体の中にソメイヨシノと同じS対立遺伝子をもつ個体が存在していたため,開発した遺伝マーカーだけではそれらの個体とソメイヨシノに由来するS対立遺伝子を区別できなかった。しかしながら,SSR分析を組み合わせることでソメイヨシノ由来のS対立遺伝子を判別することは可能であり,開発した遺伝マーカーとSSRマーカーを併用することはソメイヨシノ由来のゲノムの拡散パターンを調べる上で有効な手段であると考えられる。
- 2009-10-01
著者
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加藤 珠理
岐阜大学応用生物科学部
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石川 啓明
岐阜大学大学院応用生物科学研究科
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太田 泰臣
岐阜大学大学院応用生物科学研究科
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服部(小川) 紗代子
静岡大学大学院農学研究科
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向井 譲
岐阜大学応用生物科学部
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加藤 珠理
Faculty Of Applied Biological Science Gifu University
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服部 小川
静岡大学大学院農学研究科
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Kato Shuri
Department Of Forest Genetics Forestry And Forest Products Research Institute
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