負の組織学習による企業不祥事の克服の可能性と経営教育の課題(海外派遣)
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概要
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本報告で注目する企業不祥事は、単発的・突発的な問題よりも、むしろ同一企業や業界ぐるみで意図的かつ連鎖的に継続される組織の悪行である。企業不祥事の発生と反復が起こるメカニズムは、組織的要因から生じる「負の組織学習」によって説明することが可能である。組織学習には、組織が不適切な行動を学習することで公正な活動を阻害し、不正・犯罪を繰り返す「負の作用」も内在する。それゆえ、企業不祥事の発生や反復を抑制するには負の組織学習の連鎖を断ち切る方策を検討する必要がある。しかし、企業が負の組織学習に打ち勝つのは容易ではない。なぜなら、組織構成員を教育・指導することで個々の道徳意識や倫理能力を向上させることはできても、「組織人格」を持つ加構成員の行動は、企業組織を支配する「価値体系」によって条件づけられるからである。ノルマ(norma)といった組織の至上命題の達成が困難な場合には、構成員は「道徳的罠」に陥り易く、結果的に倫理・道徳に反した行為に及ぶ可能性がある。本報告の目的は、こうした問題意識から企業不祥事の誘因とメカニズムを考察し、その克服に向けた組織的な取り組みを明らかにすることである。
- 2009-10-23
著者
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