高齢患者の"持てる力"の活用を強調した老年看護学実習の検討 : 実習記録の分析から(実践報告)
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概要
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本報告は,「高齢患者の"持てる力"の活用」を強調した老年看護学実習において,学生が高齢患者の"持てる力"をどう捉えていたのか,その実態を明らかにしたものである."持てる力"とは,個々の内に宿る力と定義し,個人のもつあらゆる力のことを指している.学生の実習記録を分析した結果,大学3年次学生79名全員が,受け持ち患者の看護展開をする中で,患者の問題点を列挙すると同時に,"持てる力"として2〜5項目を列挙していた.また,"持てる力"を見出していく経緯には,「"持てる力"を積極的に探した」という情報収集段階の学生の姿勢と,「高齢患者への先入観を排除して,可能性を信じ,高齢者の言動を肯定的にとらえた」という学生の姿勢が現れていた.高齢患者の"持てる力"を強調することで,学生の高齢者への関わりが積極的なものとなり,高齢者,学生の両者によい影響をもたらすことができた.
- 日本老年看護学会の論文
- 2008-03-15
著者
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箕浦 とき子
岐阜大学医学部看護学科成人・老年看護学講座
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松波 美紀
岐阜大学医療技術短期大学部
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松波 美紀
岐阜大学医学部看護学科
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温水 理佳
岐阜大学医学部看護学科
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吉川 美保
岐阜大学医学部看護学科
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