痴呆症高齢者に対する新たなグループケアプログラムの開発 : セッションの場で起きたこと,引き出された力
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概要
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本研究の目的は,痴呆症高齢者に実施した「生活行動に回想法を組み入れた新たなグループケアプログラム」で起きた事象と,対象者のもっている力が引き出される過程を明らかにすることである.地域の痴呆症リハビリ事業に参加している,軽度〜中等度の痴呆症高齢者5名を対象に,1週間に1回・計8回にわたり,著者が考案した新たなグループケアプログラムを実施し,その様子をビデオ録画したデータを,質的・帰納法的に分析した.その結果,対象者は自分なりの起点でケアプログラムを捉える,という事象が明らかになった.そして,生活行動に回想法を組み入れたプログラムでは,過去・現在・未来という幅広い時空間を体感する力,喪失感や達成感の両側面で自己を見つめる力,その場にいない人を思いやるなど,多元的に他者とかかわる力も引き出されることがわかった.以上より,これらの多様な力を引き出すためには,今の生活に即したグループケアプログラムを考案・実践することが重要であることが示唆された.
- 日本老年看護学会の論文
- 2003-03-15
著者
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