痴呆性老人のQOLを高めるケア技術の分析 : 看護職への質問紙調査を通して
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概要
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痴呆性老人,特に病状が重度で他者に依存せざるを得ない対象にとって,ケアの質がそのQOL(Quality of Life:生活の質)にもたらす影響は大きく,両者は不可分の関係にある.本研究では,痴呆ケアの体系化を試みる第一段階として,看護職の認識する「痴呆性老人のQOLを高めるケア技術」を明らかにすることを目的として質問紙調査を行った.調査の対象は,老人性痴呆疾患治療・療養病棟に勤務する看護職で,有効回答数は509 (有効回収率80.7%)であった.因子分析の結果,『患者に合わせた対応』『必要な処置・ケアの遂行』『孤立化の回避』『家族関係の維持』『存在の尊重』『混乱させない対応』『愛着を生かした対応』『全身管理』『安心感の補強』の9つのケア技術が明らかとなった.それらのケア技術の構造について,Maslowの欲求階層説をもとに考察を加えた.
- 日本老年看護学会の論文
- 1998-11-15
著者
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竹崎 久美子
兵庫県立看護大学
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竹崎 久美子
神戸市看護大学
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水谷 信子
兵庫県立看護大学
-
塩塚 優子
青梅慶友病院
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松岡 千代
関西学院大学大学院社会学研究科後期課程
-
塩塚 優子
兵庫県立看護大学看護学部
-
桝谷 佳代
兵庫県立看護大学看護学部
-
三上 由郁
元・兵庫県立看護大学看護学部
-
水谷 信子
兵庫県立大学看護学部
-
桝谷 佳代
兵庫県立看護大学
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