摂食・嚥下機能からみた高齢者における嚥下体操の有効性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的は高齢者における嚥下体操の効果を唾液分泌量,開口度,反復唾液嚥下テストを指標として明らかにすることである.対象はS老人保健施設に入所中の摂食・嚥下障害のない高齢者15人で,平均年齢は78.2±6.04歳,男性1人女性14人であった.嚥下体操は従来の嚥下体操に唾液腺マッサージを加えた.1日3回食前10分に8週間継続して実施した.分析方法は上述の3つの指標において,嚥下体操を実施する前と8週間実施した後の測定値を比較した.唾液分泌の即時的効果について,嚥下体操を1回実施する前と実施した後の唾液分泌量を比較した・比較はウィルコクソン符号付順位検定を用いて行った(p<0・05).加えて,主観的評価を得るために嚥下体操を8週間実施した後に面接調査をした.結果は, 3つの指標において,嚥下体操を実施する前より8週間実施した後に有意に増加した.唾液分泌量において,嚥下体操を1回実施する前より1回実施した後に有意に増加し,唾液分泌の即時的効果が認められた.嚥下体操を8週間の実施した後の面接調査で食事への意識化,頸部のリラクセーション効果が抽出された.よって,嚥下体操は食事への意識化は摂食・嚥下のプロセスの認知期へ,唾液分泌量,開口度の増加は準備期・口腔期へ,反復唾液回数の増加は咽頭期へ影響を及ぼし,摂食・嚥下機能に効果を与えると考える.
- 2001-11-01
著者
関連論文
- 退所/退院に関連する看護活動 : 老人保健施設および内科病棟の看護管理職者の意識調査
- 過去11年間の看護師国家試験問題の形態素解析による看護師国家試験問題の頻出語の分析
- 看護領域における形態素解析実験と看護専門用語辞書
- 介護老人保健施設での看護場面におけるタッチの特徴
- 看護学生の日常の運動・食生活の実態とそれに対する認識 : -効果的な患者教育を行うための看護学生への動機づけ-第1報
- 摂食・嚥下機能からみた高齢者における嚥下体操の有効性
- 女子大学生のダイエット行動に及ぼす影響要因
- 糖尿病患者の飲酒に対する気持・思いおよび飲酒行動の検討
- 1.沖縄県における退院時看護要約の作成と利用に関する実態調査 : 九州北部地方(福岡県・佐賀県・長崎県)との比較(医療関係)
- 臨地実習事例発表会における学生の学習活用状況
- 糖尿病患者における受診中断の理由と療養生活および血糖コントロールに関する研究
- 慢性疾患患者への患者教育に関する研究 : 看護者の患者教育方法に関するパイロットスタディ
- 成人の回復期看護における模擬体験学習の効果
- 急性期実習における看護学生の自己効力感を高める要因の検討
- 退院時要約の作成と利用に関する実態調査--九州北部地方の現状
- 寝たきり,ボケを未然に防ぐ看護とは (高齢化社会と福祉)
- 因子分析による看護学生の老人像に関する研究
- 看護学生の視覚遮断体験における気づきの検討
- 暗示によるゾンデ挿入法の検討(I)
- 看護のプロセスがみえるNANDA-NOC-NICのリンケージ--看護のパワーアップにつながる看護診断 (特集 看護診断を活かす看護過程の実践--電子カルテの前に押さえておくべきこと)