巡礼功徳譚のダイナミズム : 四国遍路「尻なし貝」物語を事例として(<特集>文化人類学の現代的課題)
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概要
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特集文化人類学の現代的課題論文1. 序論 : 「巡礼功徳譚」巡礼研究と口頭伝承研究との結節点 1. 口頭伝承と巡礼功徳譚 2. 巡礼功徳譚のダイナミズムとその可能性2. 民衆型四国遍路の確立 : 特にメディア空間の成立に関して 1. 「四国八十八個所」の成立と「功徳記」 2. 近世マスメディアにみる遍路情報の社会化 : 言説空間の成立 「道指南」の流通 甲把瑞繹「仁井田之杜鎮座伝記」 『四国徧礼絵図』 3. 文芸作品にみる四国遍路の表象3. 尻なし貝物語 1. 「阿州小野の尻なし貝」 2. 尻なし貝の正体 : イシマキガイ 伝説の現場(福井県鉦打) 伝説の現在 「尻なし貝」の正体=イシマキガイ(の大型のもの) 「尻なし貝」の象徴論的解釈4. 巡礼功徳譚のダイナミズム 1. 弘法大師遍路信仰と巡礼功徳譚の拡散性 その他の尻なし貝伝説 弘法大師遍路信仰(土地の主人公と普遍的主人公) 巡礼功徳譚の拡散性 2. 功徳譚の生成 : 窪川町岩本寺七不思議の場合 二つの尻なし貝 : イシマキガイとカワニナ 「岩本寺の七不思議」 37番札所の歴史的経緯 伝説の生成 3. 巡礼功徳譚の消滅 消えた尻なし貝(鉦打尻なし貝のその後) 霊験のリアリティ 札所寺院の求心力5. おわりに "巡礼功徳譚"の可能性 今後の課題6. 資料 : 「尻なし貝」の記述の推移Pilgrims tales, the series of folk tales related to certain pilgrims, represent the concept of pilgrims and play a role to attract people to pilgrimage. The author of this paper sets pilgrims tales as a framework for trying to introduce the result of folk tales research into the study on pilgrimage. The paper also searches the possibility to make a dynamic approach on pilgrims tales, compared to the major studies on folk tales in the past that took static approach such as typification and structural analysis. The main topic in the paper is to discuss the meaning of pilgrimage and the changes in the environment based on the transition of pilgrim tales. Taking the example of "the Tale of Shirinashigai" compiled in "Shikoku Henro Kudoku-ki (Shikoku Henro blessing stories)" issued in 1690 in the Edo era, the paper confirms that information about Shikoku Henro is shared by many people through mass media including books and plays, then analyzes the development of pilgrims action followed by the changes in transportation system and the meaning of Shikoku Henro, based on the result of fieldworks.
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