開発途上国で応用可能な地域看護活動についての一考察 : モロッコ村落部での地域看護活動をもとに
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
目的:開発途上国支援に応用可能な地域看護活動について考察すること。方法:昭和30年代の岩手県S村の事例を記述的枠組みとし、筆者らが行ったモロッコ村落部B村での地域看護活動を考察する。結果: B村は、治療に重きをおいた施設待機型医療で、医療スタッフらが住民の居住地に足を踏み入れることはほとんどなかった。ゆえに地域の実態把握も希薄で、数少ないデーターさえ活かされていなかった。また住民らの相互扶助意識は強かったが、彼らを組織しエンパワーメントする試みは行われていなかった。結論:開発途上国に応用可能な地域看護活動として、"活動地域の実態調査"や健康増進・疾病予防に重点を置いた"各種保健指導(家庭訪問・巡回相談・健康教育)"、また"住民組織活動"があげられた。これらを現地スタッフが主動していくためにも、理論と実践を共に繰り返す体験型学習でスタッフの能力向上につとめる。また戦後日本がどのように公衆衛生の荒廃を克服していったか事例紹介することも有効である。人材育成を基本に持続可能な活動にしていくためにも、相手国の組織体制を理解し、関係機関の管理者を巻き込むことも必要である。相手国へ尊敬の念を抱き現地スタッフらと強調・協同する精神は、活動中一貫して忘れてはいけない。
- 2009-09-30
著者
関連論文
- 急性期病棟におけるプリセプター看護師が捉えた新人看護師の看護実践上の問題
- 女子看護大学生における食に関する健康行動の継続に関わる要因
- 開発途上国で応用可能な地域看護活動についての一考察 : モロッコ村落部での地域看護活動をもとに
- 日本赤十字九州国際看護大学・地域看護学実習Iのプログラムおよび指導法に関する検討
- 地区診断を用いた地域看護学演習の取り組みと今後の課題
- 生活習慣形成期の学童に対する健康教育方法の検討
- Scramble Zone 開発途上国における研修の実践--学生が主体となって行った研修の学習成果とその要因
- 本学の地域看護学教育に対する宗像市住民の学習支援competenceに関する研究
- セルフケア支援を目指した糖尿病予防教室の効果 : 宗像市との共同開催事業、一年目の実績からの検討
- P-034 地域における女性の健康支援システムの構築に向けた取り組み(2)(Group40 更年期・老年期,ポスターセッション)
- P-033 地域における女性の健康支援システムの構築に向けた取り組み(1)(Group40 更年期・老年期,ポスターセッション)
- 267 中年女性の健康状態と保健行動に関する実態調査 : 第3報 女性の健康・医療情報の利用状況(更年期、老年期3, 第46回 日本母性衛生学会総会 学術集会抄録集)
- 266 中年女性の健康状態と保健行動に関する実態調査 : 第2報 不定愁訴に対する不安と対処行動(更年期、老年期3, 第46回 日本母性衛生学会総会 学術集会抄録集)
- 265 中年女性の健康状態と保健行動に関する実態調査 : 第1報 症状の日常生活への影響(更年期、老年期3, 第46回 日本母性衛生学会総会 学術集会抄録集)
- 活動報告 モロッコにおける現地看護職への地域看護介入方法の伝達上の課題--僻地村落部における母子保健活動経験から考える
- 多様化するコミュニティ活動を支援するための保健師の役割
- 途上国無医村における地域看護診断 : Morocco 地方村落部での地域調査の実践報告
- コンピュータによる授業評価システムに関する文献的考察
- 看護教育研究セミナーの経験を通して出現したケアの様態--終了後の受講者へのインタビューの分析から (特集 看護継続教育におけるアウトカムの探究)
- 特定健康診査動機付け支援対象者のHealth Literacy : Health Literacy 概念の再考