異なる医用画像出力システムの鮮鋭度比較法(画像測定,<小特集>イメージメディアクオリティ論文)

概要

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X線写真を用いた画像診断は古くから広く用いられてきた.近年では,ディジタルX線画像撮影システムが開発されたことにより,X線画像が銀塩写真のみならず,CRT, LCD,インクジェットプリンタといった様々な画像出力システムに表示・記録されるようになった.本論文では,画質を決める因子の中でも特に重要な鮮鋭度に注目し,湿式及び感熱式銀塩プリンタ,高精細モノクロCRT及びLCDモニタ,医用インクジェットプリンタのフィルム出力及び光沢紙出力の計6種類の医用画像出力システムの画質をそれぞれ解析評価し,画質比較を行った.Gans' methodを用いて,ナイフエッジ画像の出力応答を解析し,MTF (modulation transfer function)を算出することで鮮鋭度を評価した.Gans' methodにおけるシフトずれの問題について指摘し,独自に改良を加え測定精度を向上させた.評価の結果,インクジェットプリンタは銀塩プリンタに劣らない鮮鋭度を有しており,CRTは鮮鋭度において他のシステムより不利であることが分かった.また,主観評価実験を通して,本手法が鮮鋭度を評価する尺度として有効であることを示した.
社団法人電子情報通信学会の論文
2006-11-01