制限視野を用いて顔画像を記憶する過程における瞬目活動の分折(ヒューマンコミュニケーション)
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概要
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認知状態と瞬目の関係を解明するため,コンピュータディスプレイ上に15(H)×18(V)degの大きさで配置した顔画像を視野角1.0degの制限視野を通して記憶する課題を導入した.11名の実験参加者に,マウス操作に連動する制限視野を各自の記憶方略に基づき40秒間自由に動かしながら顔を記憶する試行を20回課した.まず,顔要素観察時点における瞬目生起頻度の分析により,瞬目は顔の主要な特徴である眉や目が観察される時点で随伴しやすいこと,並びに瞬目時の制限視野は極めて低速に移動することが明らかにされた.次に,顔要素訪問経路との関係について次の知見が得られた.第1に,顔要素(現要素)観察時点で瞬目が随伴した場合,その次に訪問される顔要素は現要素の下方に位置することが多い.第2に,訪問経路の反転により,眉と目が反復して観察される際に瞬目が随伴しやすい.第3に,眉,目,鼻,口などの孤立した類要素を巡回する顔要素訪問モードと耳や顎などの顔の輪郭部分を観察する顔輪郭訪問モードとに訪問経路を分類した場合,両モードの切換わりの時点で瞬目が随伴しやすい.以上の分析により,記憶方略上,有用な訪問経路が計画された際に瞬目が促進されることが示唆される.
- 2008-09-01
著者
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