伝クセノポン作『アテーナイ人の国制』の制作年代について
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概要
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クセノポンの作品として,小品『アテーナイ人の国制』が伝えられている.本書の作者は,嘲笑と皮肉なまなざしをもって当時のアテーナイの内政,外交あるいは習俗習慣に至る種々な社会生活の側面を論じている.例えば,奴隷はどんな身なりをしていたか,犠牲の費用は誰が負担したか,海上支配,同盟諸国支配が如何に行なわれていたか,貴族と民衆の関係は如何なる状態にあったかなど,本書の内容は極めて多岐に渡り,まことに興味の尽きない材料を我々に提供してくれる.かのアリストテレスの同名の書とは趣を異にするとはいえ,当時のアテーナイの歴史を考察する上に不可欠な重要史料の一つであることは周知の通りである.しかるに,残念ながら,誰が,何時,何処で,如何なる目的で本小品を著したのか,近代歴史学の確立した19世紀以来幾多の学者により研究されて来たが,未だに識者の間で見解の一致が見られていない.そのために,我々は本書を史料として使用する時には,大きな掣肘を受けざるをえないというのが現状である.本稿は,本小品の史料価値の重要性を思い,その制作年代に関して一つの結論を試みようとするものである.
- 1982-03-30
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