日本企業の業績に関する長期時系列分析 : 低迷する20年と失われた10年
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概要
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バブル崩壊後,わが国経済あるいは企業業績が長期間低迷を続けてきたことに対し,具体的な指摘が近年多数提示されている。本稿では,失われた10年と称される90年代に初めて日本企業の業績低迷の萌芽がみられるものなのかを検証すると共に,競争力と業績などの関係を分析することで,個別業態間の相違の把握に努めた。これらのために,60年度を起点に約40年間の使用総資本事業利益率を用いて業績の時系列分析を行った。さらに,個別業態においても長期の時系列分析を国際競争力指数や付加価値生産性などに付いて行った。検証からは90年代のみに低迷が表象するものではなく,既に石油ショックがあった70年代から80年代の20年間に渡って60年代から低下した業績の回復傾向は見られず,むしろ一貫して低下傾向にあったことが示唆された。さらに,業績が低下傾向にあることは否めないものの,もの作りが異なる輸送用機械「自動車」と電気機械「家電」では,競争力と収益性の関係などで差が生じていることが示唆された。
- 千葉商科大学の論文
- 2005-06-30
著者
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