動的なネットワーク環境に適応するためのクロスレイヤシステムの設計と実装(ネットワーク)
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概要
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本論文では,移動通信環境などの動的に変化するネットワーク環境においてレイヤ間の連携の欠如を原因として生じる様々な問題を解決するために,レイヤ間で情報交換を行うためのクロスレイヤアーキテクチャCEALを提案し,CEALに基づいた汎用的なレイヤ間情報伝達機構HESの設計と実装を行う.動的なネットワーク環境に適応するために,他のレイヤの情報を利用することでプロトコルを改善する手法が多く提案されている.しかし,汎用的に任意のレイヤ間で情報交換を行うための基盤の欠如がそれらの普及を妨げる一因となっている.本論文で提案するCEALは,各プロトコルの情報をAbstract Entityで抽象化し,すべてのレイヤにまたがって位置するInter-Layer Systemを用いて伝達することで,既存のレイヤ構造の利点である各レイヤの独立性を損なうことなく任意のレイヤ間での情報交換を実現する.また,その実装であるLIESは多くのプロトコルから利用されることを想定した柔軟で拡張性の高い実装となっている.本論文ではLIESをFreeBSD6.2-RELEASEのカーネルに実装し,各レイヤのプロトコルを改善するための基盤として利用可能であることを実証するとともに,実際にいくつかのプロトコルへの具体的な応用例についても検討する.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2008-03-01
著者
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寺岡 文男
慶應義塾大学理工学部情報工学科
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寺岡 文男
慶應義塾大学理工学部情報工学科:慶應義塾大学大学院理工学研究科開放環境科学専攻
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後郷 和孝
慶應義塾大学
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寺岡 文男
慶応大 理工
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寺岡 文男
慶應義塾大学
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後郷 和孝
慶應義塾大学大学院理工学研究科
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