回転変動型動的錯視の知覚特性と錯視量測定法(ヒューマンコンピュータインタラクション)

概要

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回転変動型動的錯視と呼ばれる動的錯視現象が近年筆者らによって発見され,この錯視現象の知覚特性を探求することで円滑で安全な情報システムの設計・開発に有効な指針をもたらすことができると考えられている.そこで本研究では,この錯視におけるより正確かつ厳密な知覚特性を得ることを目的とし,多角形の隠ぺい度や回転速度に対する知覚特性を示すとともに,錯視量の測定手法について検討する.また,錯視刺激を観察する視野位置による知覚の度合についても検証する.錯視観察による心理物理実験の結果,多角形の隠ぺい度によって伸縮の知覚の度合が変化することや,最大知覚が得られる回転速度の範囲が存在することを明らかにした.錯視量測定法に関しては,錯視による変動知覚のモデルを仮定し,調整法に基づく「比較法」を検討した.この方法では,錯視図形に補正を加えないため,形状のひずみなどの影響が小さくなり,より正確な測定が可能となる.また,視野位置により錯視の度合が変化し,周辺視野での観察により錯視効果が強調され知覚されるという新たな特性が見出された.
2009-02-01