コンデンサによる整流アーク低減効果に及ぼす整流子回転速度と材料の影響(機構デバイス)

概要

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自動車の高機能化に果たすDCモータの役割は大きく,現在,高級車では70〜100個のモータが搭載されており,その数は年々増加の傾向にある.近年の燃費向上,搭載性向上のニーズから,自動車用モータは高効率化,小型化が製品競争力のキーとなっている.DCモータの高効率・小型化の有効な手法の一つとして,高密度巻線化か挙げられる.しかし,この方法は整流インダクタンスの増加を伴うことから,整流アーク増加の原因となる.アーク増加はブラシ・整流子摩耗を増加させ,製品寿命の低下につながる懸念がある.本論文では,高整流インダクタンス下でのアーク低減をねらい,整流回路にコンデンサを搭載したときのアークエネルギーの低減効果について報告する.コンデンサ搭載整流回路では,ある残留電流(限界残留電流)を超えると,コンデンサ非搭載回路と同等のアークエネルギーが発生した.しかし,それ以下の残留電流では優れたアーク低減効果を発揮した.また,この限界残留電流は,整流子材料がカーボンの場合,整流子の回転速度が大きいほど高くなり,整流子材料が銅材料の場合,回転速度依存性は認められなかった.
社団法人電子情報通信学会の論文
2007-07-01