イオンビームエッチングを用いた水晶振動子の周波数調整方法(電子管,真空・ビーム技術)
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概要
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水晶振動子の製造工程では,個々の周波数を測定しながら個々の周波数を合わせ込む周波数調整工程があり,抵抗加熱蒸発源を用いて電植物質のAg,Au等を蒸着させる周波数調整方法が実用化された.電極をイオンビームエッチングする周波数調整方法は,デバイス特性の悪化が少なく連続運転も可能なため,早くから有望視され研究・開発されたが,周波数調整精度・生産性ともに蒸着式に劣り実用化できずにいた,本研究で提案するイオンビームエッチングを用いた水晶振動子の周波数調整方法では,ビーム電圧1200V以下で10mA/cm^2以上の高いイオンビーム電流密度が水晶電極面上で得られ,広い周波数調整速度の可変範囲が得られる.また,イオンビームエッチングによる周波数調整では,エッチング直後に周波数がシフトする現象が生じ,実用化を妨げた大きな要因であった.そこで,調整量とシフト量の関係によってターゲット周波数の補正を行い,複数段調整として低レート用は周波数シフトの最小となるビーム電圧を300Vに固定し放電電流を下げて使用するようにした.更に,高圧リレーを用いて電気的にイオンビームをON/OFFすることによって,±2ppmの高い周波数調整精度が得られるようになった.その結果,イオンビームエッチングによる水晶振動子の周波数調整方法では,デバイス特性の悪化が少なく,長時間連続運転が可能で広い周波数調整速度の可変範囲と高い調整精度が得られるようになった.
- 2007-02-01
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