14.精製ツベルクリン(TA_2)の凍結乾燥について : 特にアンプル差の検討(E.凍結乾燥及び保存の被乾燥体に及ぼす影響について(II部))
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概要
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精製ツベルクリン(TA_2)の製造過程、その物理化学的性状については、すでに武田等により報告されているが、今回は人体接種用にアンプル中に微料の試料を含有させて凍結乾燥した成績について報告する。青山B株培養濾液を凍結乾燥により濃縮後、低温下でメタノール、三塩化醋酸による沈澱をくり返してえたTA_2液をChamberland濾過により無菌とした。その10mlづつを正確にワクチンびんに分注、凍結乾燥を行い原液として保存し、このものから出発して、0.2%乳糖液を用いて一定のγ量を含むように稀釈し、その0.5mlづつをアンプルに分注し、チャンバー型を用いて凍結乾燥を実施した。人体接種には硼砂緩衝液で溶解して直ちに使用した。乳糖液を用いた理由はアンプル中に6.6γという極めて微量であるためと、乾燥時の飛散を防ぐためである。人体での力価確認試験では0.06γがO.T.2000倍と等力価で、5年間保存後の人体試験でも同一の力価を示した。凍結乾燥の際には、飛散によるアンプル差が問題となるが、この点については乳糖を添加することにより乾燥終了時に乾燥物の表面に薄膜を生ずるので、この膜の破れているものは飛散したおそれあるものとして除外することにより防止している。実際に、乳糖液だけを分注したもので、分注時のアンプル差と乾燥後のアンプル中の乳糖量をAnthrone法により定量した成績でも、乳糖添加の場合にはアンプル差はツ反応の力価に影響を与える程のものではないと考えられる。
- 低温生物工学会の論文
- 1962-04-07
著者
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