凍結乾燥海水ラセン形細菌の復元におよぼす二・三復水液の成分濃度の影響(研究報告,昭和54年度第25回凍結及び乾燥研究会特別講演および研究報告)
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概要
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1)食塩耐性(発育の場合の)の異なる海水ラセン形細菌4菌株を用い,ショ糖,NaCl,およびその他の成分の濃度を異にした液を凍結乾燥細胞の復水に用いて,生菌回収試験を行なった.2)生残率は菌株により異なったが,4菌株ともに比較的低濃度(6および12%,w/v)のショ糖液で最高であった.ただし24%(w/v)ショ糖液での生残率と比較した値(生残比)は,Strain M55のみは蒸溜水およびSWNBYLを蒸溜水で希釈した液の方が6および12%(w/v)ショ糖液よりも少し大きかった.また4菌株とも蒸溜水,SWNBYLを蒸溜水で希釈した液,およびSWNBYLでの方が,SWNBYLにNaClを加えた液によるより高い生残率を示した.食塩耐性の強いStrain M55を除き他の3菌株では,高濃度ではショ糖液でもSWNBYLにNaClを加えた液でも低い生残率を示した.Strain M55だけは他の3菌株ほど低い生残率ではなかったが,高濃度ほど減少する傾向は明らかであった.3)ショ糖は凍結乾燥に感受性の強い菌株に対して,適切な濃度では復水過程でも保護剤として有効であると考えられる.しかし,ショ糖でもNaClでも,高張液復水の効果はOceanospirillum属細菌に対してはないようである.
- 低温生物工学会の論文
- 1979-08-10
著者
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