11. 凍結融解に対する薬剤耐性因子の安定性について(昭和51年度第22回凍結及び乾燥研究会講演並びに討論要旨)
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概要
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プラスミッドは染色体外性遺伝因子ともいわれ,染色体とは独立してそれ自身に特有の複製機構を有し,安定に存在する遺伝因子をいう.古くから大腸菌の性因子ともよばれたFプラスミッド(F因子)がその代表としてとくに詳しく研究されてきたが,1959年のRプラスミッドの発見以来,細菌の抗菌剤耐性の大半がこのRプラスミッドによるものであることが明らかにされつつあり,その医学的重要性が強調されている,Rプラスミっドとは上に述べたプラスミッドの一つであって,抗生物質,化学療法剤または抗菌性のある重金属イオンに対する抵抗性(耐性)を宿主に与えるものである.Rプラスミッドを持った菌において,そのプラスミッドをどうすれば安定に保持させ長期にわたる保有を可能にするかはプラスミッド研究者,なかでもプラスミッド性薬剤耐性の研究者にとっては極めて重大なことである.プラスミッドの中でもF因子については,従来低温保存がその消失を招くということが主として人伝えに述べられているほかには,ほとんど研究がなされていない.われわれは今回種々のRプラスミッドを持った菌を凍結,融解した場合にそれらプラスミッドを安定に保持し得るかどうかについて実験を行なった.
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