緊張性振動反射の臨床的検討(<特集>脳と神経の研究IX-自律神経をめぐって)
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概要
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1. 正常人の四肢に振動刺激を加えて得られる緊張性振動反射(Tonic vibration reflex, TVR)は,上位運動ニューロン障害,パーキンソニズム,小脳疾患の患者からはほとんど得ることはできなかった。TVRは主として筋紡錘の興奮によって生ずる。筋伸展に敏感で,容易に導出可能と考えられる痙縮筋,固縮筋にTVRを実際には見出し得ないということは,この反射が小脳,大脳基底核など上位中枢を含む多シナプス回路の影響を受けるためと思われる。2. 振動刺激を痙縮筋に加えると,しばしば随意収縮力が増加する。片麻痺患者における運動障害は上位中枢の器質的変化だけでなく,機能的抑制に由来するものと考えられる。3. 前腕伸筋に振動刺激を加えながら書字試験を行なうと,診断上興味ある現象を呈する。パーキンソニズムと同じく,小脳疾患々者においても小字症が現われ,眼を閉じると小字症は一層著明になる。この現象はgamma系の興奮によるものであろう。
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