Tetrahydropalmatineによっておこるcatatonia様反応について(実験的脳障害に関する研究,<特集>脳と神経の研究VIII-脳と神経の障害と修復-)
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概要
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エンゴサクから抽出されたアルカロイドの一つであるBulbocapnineが動物にcatatonia様反応をあらわすことはよく知られている。同しエンゴサクから抽出されたTetrahydropalmatineもまた同じような作用をあらわし,ともに大量を投与すると麻痺作用があらわれる。われわれはこのTetrahydropalmatineのcatatonia様反応の発現について,マウス,ネコを用いて検索した。ことにマウスでは,われわれの考案した,水平に支持された直流0.2cmの棒に前肢でぶら下げられてから,両端の支柱に達するか,落下するまでの時間を測定し,その結果を統計処理することによって,その作用を質的量的に確認し,Tetrahydropalmatineの麻痺作用,catatohia様反応発現作用は,ともにBulbocapnineの2倍量を要することを知った。さらにこのTetrahydropalmatineによるcatatonia様反応はMethylphenidate,Atropineによって拮抗されることをわれわれの方法で確認した。またその成績を,われわれが他に発表したReserpineやPhenothiazine誘導体のPerphenazineによりおきたcatatonia様反応に対する上記二薬の作用態度と比較し,また文献的にBulbocapnineのcatatonia様反応発現に対するAtropine, Amphetamine,Methylpheni-dateなどの拮抗作用に関するZetlerらの報告と比較検討し,Tetrahydropalmatineのこの作用はBulbocapnine,ReserpineよりPerphenazineに似ている型を示すことを知った。しかしこのことを確認するにはなお今後の研究を要する。
- 千葉大学の論文
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