Alkaline phosphomonoesteraseに就いて
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概要
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(1)諸種ligandはamino酸等と同じくMg<++>の存在下で所謂Apo酵素を活性化する。而も賦活に要するligand濃度は金属chelate化合物のstability constantに応じ決定される。即ちmetal-complexのstability constantの大きいligandは,最太賦活に要する濃度が小である。我々が従来用いていた「Apo酵素」は重金属により阻害を受けている状態にあつたものである。(2)重金属(Cu)阻害は諸種ligandにより陰蔽除去されるが,阻害除去に要するligand濃度は阻害金属量の増大に伴い,賦活曲線は曲線の型を変えず高濃度側に平行移動する。従つて,阻害金属量の多い時は過剰濃度のligandによつて示される阻害が起り,最大賦活を示さない。(3)酵素液として用いたautolysateの中に約M/20万のMgが混在しているごとを明らかにした。(4)autolysate中にも阻害金属が微量存在するが,この阻害金属はMg^<++>により相競的に追出される。autolysateに於けるZn^<++>阻害はMg添加により除かれるが,Cu^<++>阻害はMg^<++>で除去されない。(5)Mg^<++>の賦活曲線は一次S型を示し,酵素蛋白は一原子のMg^<++>と結合して活性となるものと云い得る。(6)Benzoylhistidine, EDTA等の阻害剤は酵素基質結合体とのみ結合する。本研究は文部省から赤松教授に与えられた科学研究費により,赤松教授の指導の下に行われた。こゝに深く感謝する。
- 千葉大学の論文