白への恐怖、黒へのあこがれ:ウィンキン・デ・ウォートの標題紙(3)
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概要
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本文は冒頭から活字を組んでいくが、この作業を繰り返していっても巻末の最終ページが「ページいっぱいの表示」になるとは限らない。余白や白ページが出来てしまうことがある。そうすると著者によっては新しく文章を書いて埋めたりしたが、全ての著者がそうした仕事をしてくれるとは限らない。出現する白ページを埋める作業の多くは印刷者の仕事であった。しかし印刷者が著者のように文章を連ねることは一般的には許されないので、残された手段として木版を使って白ページを埋めようとしたのである。 ド・ウォード本の巻末に木版が多用されている。それは彼が白ページを埋めようと苦労した結果であり、不用意に木版で巻末を飾ろうとしたわけではなかった。彼は本文ページを「ページいっぱいに表示」するという表示原則を巻末の白ページにまで適用していたのである。(続く)
- 跡見学園女子大学の論文
- 2009-09-15
著者
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