胃迷入膵の膵炎の1例
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概要
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症例は43歳の男性で,2007年2月初旬より上腹部痛が出現し当院を受診.来院時,上腹部に軽度の圧痛を認めるも腫瘍は触知せず.血液検査では軽度の炎症所見を認めるが血清アミラーゼの上昇は認めなかった.上部消化管内視鏡検査で胃体中部大彎に溝状の中心陥凹を伴う粘膜下腫瘍を認めた.腹部CTでは一部に石灰化と嚢胞部分を伴う約10cm大の腫瘍で胃周囲リンパ節の腫大も認めた.Endoscopic ultrasoundscopy-guided fine needle aspirationを2回施行したが診断確定には至らなかった.以上から,大きさより悪性gastrointestinal stromal tumorやリンパ節転移を伴う進行胃癌も否定できないため胃切除術を施行した.切除標本の病理組織学的検査所見では粘膜下層から固有筋層にかけて異所性膵組織を認めた.異所性膵組織の周囲には炎症細胞の浸潤と線維化を認めるが,悪性所見は認めなかった.また,高度線維化の中には硝子様壊死性滲出物,膵石様産物を認め急性膵炎の所見を確認した.膵炎を伴う迷入膵はまれであり,文献的考察を加え報告する.
- 一般社団法人日本消化器外科学会の論文
- 2009-08-01
著者
-
椎葉 健一
宮城県立がんセンター
-
佐藤 正幸
宮城肝胆膵癌化学療法研究会
-
佐藤 正幸
宮城県立がんセンター外科
-
藤谷 恒明
宮城県立がんセンター外科
-
山並 秀章
宮城県立がんセンター外科
-
椎葉 健一
宮城県立がんセンター外科
-
角川 陽一郎
宮城県立がんセンター外科
-
酒井 謙次
宮城県立がんセンター外科
-
角川 陽一郎
宮城県立がんセンター乳腺科
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