C型肝炎ウイルス陽性肝細胞癌に対する術後インターフェロン療法の長期予後について

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C型肝炎ウイルス陽性肝細胞癌に対する術後インターフェロン(IFN)療法の長期予後について検討した。1990年から1999年の間に、手術時年齢65歳以下、腫瘍最大径50mm以下、切除標本肉眼型が単純結節型または境界不明瞭型、病理組織上の門脈肝静脈浸潤と肝内転移を認めない、治癒切除、と以上の項目を満たした202例を対象とした。その中で術後IFN療法を行った20例とコントロール群の182例において、両群間の背景、術後累積生存率、無再発生存率について検討した。背景では、年齢、性別、切除腫瘍径、腫瘍個数、切除標本肉眼型、病理組織学的分化度、非癌肝組織、術前ICGR15分値では両群間に有意差はなかった。術後累積生存率では、5年/10年がIFN群で100%/69.8%、non-IFN群で69.3%/16.8%であり、有意差をもってIFN群が良好であった。無再発生存率でも5年でIFN群が57.0%、non-IFN群が28.8%で両群間に有意差を認めた。多変量解析においては術後生存、無再発生存ともに術後IFN療法施行の有無が予後因子として抽出された。しかしながら、術後10年までに無再発生存率はIFN、non-IFN群ともほぼ同等の結果となった。C型肝炎ウイルス陽性肝細胞癌に対する術後IFN療法は肝細胞癌術後のoccult carcinomaの顕正化を遅延させる抗腫瘍効果と、ウイルス排除からの多中心性発癌再発抑制効果の2面性を兼ね備えている可能性がある。しかしながら、長期予後において術後IFN療法は肝細胞癌の残肝再発を完全に抑制することはできなかった。
2009-08-25

C型肝炎ウイルス陽性肝細胞癌に対する術後インターフェロン療法の長期予後について

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