直腸粘膜下層浸潤(sm)癌リンパ節転移例および再発例に関する検討
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概要
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[目的]直腸sm癌は,内視鏡切除で根治可能なものから外科切除後再発するものと多様で,外科切除の術式も,経肛門的腫瘍切除術から腹会陰式直腸切断術と多岐にわたり,術後QOLにも大きな差異が生ずる.そこで今回,直腸sm癌のリンパ節転移例および再発例の検討を行い,治療方針に関して考察した.[対象と方法]1988〜2003年までに経験した直腸sm癌108例を初回治療別に,内祝鏡切除5例,局所切除11例および外科切除(リンパ節郭清を含めた腸管切除術)44例に分け,リンパ節転移例と再発例を検討した.[成績](1)内視鏡切除 : 53例中14例に追加腸切除を行い,リンパ節転移は1例(7.1%)みられた.この症例はIs病変(20mm)でnon-lifting sign陽性の分割摘除例(高分化腺癌,ly (+))であった.追加腸切除例に再発はなく,経過観察した39例中2例(5.1%)に再発を認め,いずれも分割切除例であった.(2)局所切除 : 11例中1例に追加腸切除を行った.経過観察した10例中,経肛門的切除の1例に2年後局所リンパ節再発を認めた.(3)外科切除 : 44例中リンパ節転移を4例(9%)に認めた.全例sm2以深癌でかつ脈管侵襲陽性であった.再発は2例(5%)に認めた.[まとめ]内視鏡切除および局所切除例で,sm2以深癌かつ脈管侵襲を有している場合は追加腸切除を考慮すべきで,とくに内視鏡的分割切除の適応は慎重にすべきである.sm癌はリンパ節転移術中診断は困難で,迅速病理診などを行い,転移陽性の場合は十分なリンパ節郭清を行うべきと考えられる.
- 東京女子医科大学の論文
著者
-
高崎 健
東京女子医科大学消化器外科
-
井上 雄志
東京女子医科大学消化器外科
-
山本 雅一
東京女子医科大学 消化器外科
-
高崎 健
ムラタクリニック
-
高崎 健
東京女子医科大学医学部消化器外科学
-
井上 雄志
東京女子医科大学 消化器病センター
-
高崎 健
東京女子医科大学 消化器放射線科
-
斎田 真
東京女子医科大学医学部消化器外科学
-
齋田 真
東京女子医大病院消化器病センター
-
斎田 真
東京女子医科大学消化器外科
-
高崎 健
東京女子医大肝移植チーム
-
高崎 健
東京女子医大消化器外科
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