製粉工場におけるフェロモントラップの配置位置及び配置個数がタバコシバンムシ捕獲個体数に及ぼす影響
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概要
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製粉工場におけるフェロモントラップを用いたタバコシバンムシの防除法を確立するための基礎資料を得ることを目的として,トラップの配置位置及び配置個数が捕獲個体数におよぼす影響を調べた.調査は1988年5月から1990年12月まで行った.トラップは1989年に50m^2に1個,床から1.5mに配置した.1990年に30m^2に2個配置したが,一方は床から1.5mの高さに,他方は同じ場所の床から3.0mの高さにそれぞれ配置した.捕獲個体数は2週間毎に調べ,トラップは毎月交換した.1990年5月及び6月の1トラップ当たりの捕獲個体数は1989年のそれより少なかった.この結果はフェロモントラップによるマストラッピングは個体群密度の低い発生の初期に個体群増加を抑える効果があることを示唆している.床から1.5mの位置に配置したトラップに捕獲された個体数と3.0mの位置に配置したトラップに捕獲された個体数との間に高い相関関係(r>0.916,α=0.01)が認められた.回帰直線の傾きは調査時期に関係なくほぼ1.0であったことから,トラップを配置する高さは捕獲個体数に影響しないことが明らかとなった.さらに,配置場所が異なれば捕獲個体数が顕著に変化したことことから,配置トラップ数の増加によるマストラッピングを行なう場合には垂直方向の配置場所数を増加させるよりも,水平方向の配置場所を増加させる方が重要であることが示唆された.
- 日本ペストロジー学会の論文
- 1991-12-25
著者
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