中国における国家と社会の変質の方向に関する考察〜その8 : 胡・温エリート体制下の執政の特色05年の動向に見える変化の芽
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概要
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共産党体制しか知らない体制内で純粋培養されたエリート集団による初めての政権として注目の内にスタートした胡・温指導体制。これまでの政権担当者に比べ格段にスマートで自己抑制の利いた控え目な性格だったこともあって大方の欧米筋は期待を込めて好意的に迎えた。しかし、時間の経過につれ権威主義と保身傾向は隠せないものとなった。すべてが独裁体制の下でコントロール可能という思考の下でのスマートさの装いに過ぎなかったようだ。06年1月には報道関係者に向け「党と人民の代弁者」に徹するよう求める意見書を発表し人民日報一面に掲載した。現実の中国が長引く独裁体制下で蓄積してきた歪みや諸矛盾の拡大を前に、表面だけのスマートなコントロール志向はもろくも破綻してしまった。胡・温指導体制初期段階での実際の政権運用から見えてきた特徴を考察してみたい。
- 麗澤大学の論文
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