『バイエルピアノ教則本op.101』における指使いとその変遷
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概要
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日本で最も親しまれているピアノ導入期のための教則本である『バイエルピアノ教則本op.101』は、1880年、L.W.メーソンによって日本にもたらされた。その後、日本では多くの出版社から様々な版が出版されてきた。それぞれの版を見ると、指使いに違いが見られる練習曲がある。本論では、『バイエル』の初版と、現在出版されている『バイエル』の指使いについて違いが見られる箇所と変遷を明らかにし、日本で出版されている『バイエル』の指使いについて考察した。考察により、原著に対して後に出版された版では多くの指使いが追加されていることがわかった。特にペータース版から多くの影響を受けている。さらに、日本人の校訂者により追加された指使いもあり、それぞれの版で指示されている指使いは、練習曲の課題だけでなく、音楽観にも深く関わっている。学習者とピアノ教師は、教則本だからという理由で指使いを選択するのではなく、その音型と自らの手や指に応じた指使いを選択しなければならない。
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