『平家物語』に見る日本語の節名詞化法の変遷過程
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概要
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言語の通時的変化の研究にあたって、特定の形式がどういう機能をもつかではなく、特定の機能がどのような形式で表わされるかという観点をもつことで明らかにできることもあると思われる。日本語において、節を名詞化するという機能がどのような形式によって担われるかという観点から『平家物語』巻一・二を分析した。その結果、日本語の準体法の消失の過程において準体節の名詞性の表現機能の衰退が助詞の存在によって補われていた時期があったこと、主語を表示する格助詞「が」の使用頻度が低いために主語位置において準体節ではなく「こと」によって名詞化された節が用いられていたことを結論として得た。
- 2008-03-28
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