ユーザ利用状況に応じたアプリ性能制御のためのリソース配分方法(コミュニケーション支援(3),HCGシンポジウム)

概要

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カーナビなどの組込み機器では多機能化やプロセッサの処理能力向上が進んでいる.しかし、複数アプリの同時起動などのユーザ要求が多様化し、ユーザはプロセッサの性能向上以上のユーザ体験を期待している.組込み機器は小型化や消費電力削減の要請で,使えるCPU性能やメモリ容量などのリソースに限りがある.このため,プロセッサの性能を引き出しユーザ要求に応えるためには,消費電力を抑えながらリソースを各アプリに配分する必要がある.さらに,最適なリソース配分はユーザ毎に異なっている可能性がある.そこで本稿では,アプリのユーザ体感品質を表す品質グラフ,ユーザ利用状況に応じたアプリ重要度,及び,利用状況の遷移頻度を基にしたリソース配分方法を提案する.本手法は,ユーザそれぞれの利用状況に応じ配分を決定することで,消費電力を抑え体感品質を維持しながら限られたリソースの配分が可能である.提案手法を,カーナビを模したシステムに適用し評価したところ,ユーザがナビを見ているか否かに応じた演算リソース配分により体感品質向上が見られた.また,走行や停止などの車状態の遷移に基づいたリソース配分により,消費電力が低減可能であることが示せた.
2009-03-16