ジョルジュ・サンドの『愛の妖精』における<妖精>について
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概要
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ジョルジュ・サンドの『愛の妖精』(1849)は、これまでわが国で最もよく知られ、サンドの翻訳史の中でも格別な地位を占めてきた。なぜこの作品が、このような長寿を保ってきたのか。その秘密は特にタイトルに「愛」をつけたからだとも言われている。そのほかにタイトルには「妖精」という意味がこめられており、これがサンドの根本思想と深くかかわっていると考えられる。1848年の二月革命の結果に失望したサンドは故郷ベリーに帰り、土着の農民信仰の一つである「妖精」伝説を『愛の妖精』の中に生き生きと蘇らせた。 古代から民衆の間で信仰の対象となってきた妖精を、サンドはいかに描き、どのように読者に伝えようとしたのか、伝承をいかに創作に生かしたのか、またサンド自身の内面とどのような関わりがあるのか、『愛の妖精』における「妖精」とは一体なにかを、その成立事情、登場人物の分析、自伝、『フランス田園伝説集』などを通じて検証した。
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