ジョルジュ・サンドと絵画 : 〈ダンドリット〉をめぐって
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概要
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あまり知られていないことであるが、サンドは子供の頃からデッサンや水彩画に親しみ、生涯に数多くの作品を残している。特に晩年の風景画「ダンドリット」は独特で、後のシュルレアリスムの画家たちが主張した「偶然」や「無意識」を連想させる。 夢想癖のあったサンドは子どもの頃、母が読む物語を聞くうちに緑色の火よけ衝立の上に様々な映像を見た。このことが後の芸術創造に影響した。また少女時代の作品に、「ロールシャッハテスト」そっくりの「折り紙による染み」がある。左右対称の「偶然」に生まれる図形に対する興味が、晩年の「ダンドリット」における「水に映った風景」へと発展した。 サンドは同時代の画家ドラクロワやコローなどとの交流を通じ近代絵画に対する興味を広げた。また孫娘への遺書として、愛する故郷ベリーの自然、19世紀の科学思想、進歩思想を背景にした童話集『祖母の物語』を書いた。彼女にとって絵画は物語と同様に、空想と現実を行き来する「夢のエクリチュール」であった。図を引用してサンドの絵画の先見性を明らかにした。
著者
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