1930年代後半から1940年代前半における教育相談活動の課題と方法 : 東京文理科大学教育相談部を中心に
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概要
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本稿では東京文理科大学の教育相談部を中心に、1930年代後半から1940年代前半における教育相談活動の課題と、そこで用いられた診断の方法について検討することとしたい。この時期には、学校だけでなく生活の全領域を教育の対象とすることが期待されるようになっていた。この教育相談部を取り上げたのは、そのような取り組みを支えた教育相談活動において指導的な役割を果たしていたからである。そこで教育相談部員たちが課題としたのは、家庭生活の近代化への対応と、総動員体制下において必要とされた人的資源の配分と育成であった。彼らは、来談家庭の希望に応じて、知能検査に基づいた進学相談に取り組むとともに、個人主義的な親の教育観を是正することに取り組んだ。そして、知能検査だけでなく、生活環境や、生育史の調査の結果をふまえて、問題の予防に対する関心を高めるよう親たちに働きかけたのである。
- 2009-03-31
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