理科教育における生命倫理の授業開発 (1) - 「脳死と心臓死」から「クローンとES細胞」への連続した授業を通して -
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概要
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日本の現行の理科のカリキュラムに依存せずに、新しい科学知識・概念の獲得と科学のミスコンセプションの克服、科学技術を社会と関連させてとらえる姿勢、科学技術の進歩によって生まれた倫理的な問題の体感、立場の違う意思をもつ者同士の折衝、生命倫理と生命尊重の態度とを関連させることを授業構築の柱とし、「脳死と心臓死」、「クローンとES細胞」を一連の授業として開発した。「脳死と心臓死」では、理科の中でほとんど扱われることのない死をテーマとし生命の死の概念を育成したうえで、人間の死を、科学を中心としながらもそれだけでは決めることができない社会的な問題まで触れ、みんなで話し合い最終的に学習者が自分で脳死、心臓死を判断する能力を育成するように構築した。次いで「クローンとES細胞」では科学的なクローン概念を育成したうえで、体細胞クローン技術、ES細胞技術を理解させ、技術の進歩により脳死からの臓器移植とは別の倫理的な問題が生じること、さらに現在iPS細胞の技術によって臓器交換が現実のものになり得ることに対する各自の意見や考えをそれぞれが共有することができるように構築した。
- 2009-03-31
著者
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鈴木 哲也
埼玉純真短期大学こども学科
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鈴木 哲也
筑波大学大学院
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鈴木 哲也
筑波大学大学院教育学研究科
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鈴木 哲也
埼玉純真短期大学
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鈴木 哲也
秀明大学
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鈴木 哲也
筑波大学大学院:埼玉純真女子短期大学
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