人工物の哲学とランドマーク商品論 : 市場を介して流通するテクノロジーとリスク (特集 ランドマーク商品に関する商品史的研究)
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概要
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現代社会に流通している多くの商品を見ると,それらが最新の科学技術を元に開発されたものである場合が多い。ある種の商品がランドマーク商品として不可逆的に普及し,消費者の生活スタイルを変容させていく現象を考えようとするとき,その原因を科学技術の特性との関連から分析する必要があるのではないだろうか。本論文では,科学技術が生み出す産物を特徴づける概念として,「具忘性」と「技術的媒介」という二つ概念を導入する。具忘性とは,科学技術を基礎とした商品の使用が,ある種の目的を達成するために必要であるはずの知識や技能を我々から忘却させるという性質を持つことを表した概念であり,技術的媒介とは,科学技術の産物が我々の行為を誘導したり規制したりする力を持つことを表した概念である。これらの概念を用いることで,商品のランドマーク化が発生する原因を分析したい。その上で,こうした分析が,資本主義経済システムのリスクを考察する上で役立つ可能性があることを示唆したい。
- 同志社大学の論文
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