高齢者肺癌手術症例の肺機能と術後合併症の検討 : 術前呼吸機能訓練の意義(シンポジウムI 高齢者(70歳以上)の術前評価と術後管理)

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概要

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70歳以上の高齢者肺癌手術症例198例は,70歳未満症例550例に比し肺機能障害,特に閉塞性換気障害を有することが多く,術後呼吸循環器系合併症が多発していた.このためIPPBを中心とした術前呼吸機能訓練を施行したところ,%FVCまたはFEV_<1.0>%のいずれかが10%以上改善した症例では,術後呼吸循環器系合併症の発生頻度が13例中2例で,非改善例11例中6例に比し有意(p<0.05)に低値であった.また,FEV_<1.0>は非合併症群16例では11例が,合併症群8例では1例が改善していたことより,FEV_<1.0>の改善が術後合併症の発生に強く関連していると考えられた.さらにこの機能改善は拡張剤試験の結果と有意に関連していた.以上より,術前呼吸機能訓練は術後呼吸循環器系合併症の予防に有効な一手段であると考えられた.
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会の論文
1990-11-15

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