同種気管移植による気道再建 : 雑種成犬を用いた実験的研究
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概要
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雑種成犬を用いて胸部気管に10軟骨輪の欠損を作成し,5軟骨輪の移植気管を端々吻合にて間置し,有茎大網弁書被覆する実験モデルを作成し,以下の3群に分けた.第1群(n=11)は自家気管を移植した.第2群(n=11)は同種気管を移植し,免疫抑制を行わなかった.第3群(n=28)は同種気管を移植し,免疫抑制剤FK-506 0.1mg/kg体重を毎日筋注にて投与した.第1群は吻合技術の未熟により2例の吻合部狭窄が見られたが,全例生着した.第2群では1例のみ長期生存したがそれ以外は移植気管は壊死に陥っていた.第3群では各1例に移植気管の壊死と,拒絶と考えられる所見が見られたが,残る26例中6日以上生存した20例の移植気管は吻合部およびグラフトの狭窄は1例もなく生着していた.走査電顕を用いた検討では移植気管の繊毛上皮は術後1週間頃から再生しはじめ,早い症例では術後1カ月,遅い症例でも術後約4カ月で長い繊毛を有する上皮が再生していた.
- 特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会の論文
- 1989-06-15
著者
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清水 信義
岡山大学第二外科
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寺本 滋
岡山大学第二外科
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清水 信義
岡山大学第2外科
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伊達 洋至
岡山大学第二外科
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中田 昌男
岡山大学第2外科
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前田 宏也
岡山大学第2外科
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伊達 学
岡山大学第二外科
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三宅 敬二郎
岡山大学第二外科
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森山 重治
岡山大学第二外科
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伊達 学
岡山大学第2外科
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三宅 敬二郎
岡山大学第2外科
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寺本 滋
岡山大学第2外科
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