非小細胞性肺癌切除例に対する術後化学療法の有効性についての検討

概要

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非小細胞性肺癌治癒切除例を対象として,cisplatinを含む化学療法の有効性を検討した.症例は術後3〜4週目で化学療法を受ける群と無化学療法群にrandomizedされた.化学療法は進行癌で30〜50%の奏効率が確定されたCAPM(15例),PAP(8例),PV(11例)を3〜4週間隔で2コース以上を目標として投与した.対象は64例で,化学療法群34例の病期はI期20,II期5,III期9例,一方無化学療法群34例では,それぞれ18,4,12例であった.組織型は,前者が腺癌18,扁平上皮癌15,その他1例,後者が16,14,4例であった.成績は,化学療法群の再発10例,死亡8例,無化学療法群ではそれぞれ9例と4例で両群に有意差を認めなかった.生存率も前者の4生率67.2%,後者78.4%で差がなかった.また再発部位も,化学療法群の局所再発1例,遠隔再発9例,一方,無化学療法はそれぞれ1例と9例であり,両群に有意差を認めなかった.以上の結果から,cisplatinを含む術後の強力化学療法は,生存率の改善にもまた再発の抑制にも有効ではなかった.
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会の論文
1989-06-15