最近経験した肺アスペルギルス症の1切除例と手術症例からみた治療法の検討
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概要
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56歳男性が喀血を主訴にて来院.胸部X線写真で右上肺野に空洞を認め,喀痰よりアスペルギルスを検出して,肺アスペルギルス症と診断した.抗真菌剤にて治療するも軽快しないため,右肺上中葉切除とS^6部分切除を施行した.術後有瘻性膿胸を合併し残存肺全摘術と大網充填術を施行した.更に,気管支瘻の再発のため胸骨縦切開による気管支瘻閉鎖術を施行するも完全治癒に至らなかった.当院では本症例を含め過去5年間に7例の肺アスペルギルス症の手術を経験し,5例は合併症もなく完全治癒出来たが,1例は術後肺瘻を,1例は有瘻性膿胸を合併した.肺アスペルギルス症の手術は病変を遺残させることなく完全切除すべきで,不完全切除の場合は術後にアスペルギルス膿胸等を合併する可能性を考慮して術式を充分検討する必要がある.
- 特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会の論文
- 1997-05-15
著者
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