術前化学療法が著効した浸潤型胸腺腫の1例
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概要
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病例は17歳,男性.顔面浮腫を主訴にて来院し,胸部X線写真にて異常陰影を認め精査入院となる。胸部X線,胸部CTにて,前上縦隔に腫瘤を認め,経皮的針生検で胸腺腫の診断を得たが,正岡分類III期と判断し術前化学療法を施行した.術前化学療法としてCDDP, ADM, VCR, CPAの多剤併用療法を2クール行い,上大静脈症候群の消失と腫瘍の著明な縮小を認めた。腫瘍は胸膜を一部合併切除するのみで全摘除出来た。病理組織学的検査では,混合型胸腺腫であり全体に壊死と線維化がみられ,術前化学療法の著しい効果を認めた。術後に上縦隔に40Gyの放射線照射を行った。浸潤型胸腺腫に対するCDDPを含めた多剤作用療法が著勤し,全摘術が可能となった症例を報告する.
- 1996-07-15
著者
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