40.日米災害報道の比較研究 : 阪神淡路大震災とノースリッジ地震におる災害放送
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1.論文の目的 本研究は、阪神淡路大震災時にラジオが行った地震発生直後1時間の災害放送と、災害の規模は異なるが同じ直下型地震であったこと、また、地震発生時間も同じ日の共に早朝であったことなど、災害時の放送環境が類似しているノースリッジ地震時にラジオが行った米国の災害放送の内容(地震発生直後1時間)を比較・検討し、我が国の災害放送のあり方を検討する一助としたい。2.研究の方法 阪神淡路大震災時に放送されたNHKラジオ、AM神戸の放送内容と、1年前のノースリッジ地震時に放送されたKFWB(参考にKNX)の放送内容を、地震発生から1時間の時間帯において、時系列に比較検討を行った。3.結論 日米の災害放送の内容を比較・検討を行った結果、以下のような相違点、及び課題が明らかになった。(1)地震発生直後に、何を伝えるのか?(2)地震直後の防災情報の出し方(3)無線を使った初期被害情報の放送 阪神淡路大震災でも災害時におけるラジオの有効性が立証された。しかし、被災者の命を救うラジオが、「いつ、誰に、何を伝えるのか」について十分な議論がなされているのだろうか。本調査結果を見ると、米国のラジオメディアは、災害発生直後には報道機関ではなく、放送で命を救う情報や被害の拡大防止に役だつ情報を、被災者へ向けて放送する防災機関の役割に徹底していることがわかる。この放送の価値観は、ラジオメディアならではの、災害放送の価値観ではないだろうか。
著者
関連論文
- 13. 災害ボランティア・今後のあり方を考える : 阪神淡路大震災からの教訓
- 5. 平成10年8月水戸市那珂川水害時における住民の災害情報の認知について(一般セッション その1)
- 13. いきたか?ロマプリエタ地震の教訓 : 1992.2.2東京震度5未明の災害放送
- 緊急報告! インド西部大地震
- トルコ大震災・台湾大震災 調査報告 (特集 トルコ西部地震と台湾中部地震の現地の状況)
- 57. 大規模地震発生時における行政需要に関する考察 : 阪神・淡路大震災をふまえた東海地震発生時の行政需要(VIII. 被害予測と緊急対応 その3,第VIIIセッション,第7回(平成9年度)地域安全学会研究発表会)
- 40.日米災害報道の比較研究 : 阪神淡路大震災とノースリッジ地震におる災害放送
- 14. 『釧路沖地震』災害放送は何を伝えたか! : 問われる地震直後1時間の災害放送
- 昭和58年日本海中部地震災害調査報告
- 昭和58年日本海中部地震災害調査報告
- 東海村ウラン加工工場臨界事故時の住民の情報認知と対応行動(突発災害・事故,口頭発表)
- パプアニューギニア大津波災害調査報告 : 静かな村を襲った大津波災害からの教訓
- 54. パプアニューギニア大津波災害調査報告 : 静かな村落を襲った大津波災害からの教訓(VIII. 被害予測と緊急対応 その4,第VIIIセッション,第8回(平成10年度)地域安全学会研究発表会)
- 28. 動燃東海事業所アスファルト固化処理施設の火災・爆発事故情報に関する住民の初期認知について(IV. 一般論文 その2,第IVセッション,第8回(平成10年度)地域安全学会研究発表会)
- 43. 阪神・淡路大震災時の神戸市東灘区LPガス漏洩事故事例における住民への避難勧告の伝達状況(VI. 被害予測と緊急対応 その2,第VIセッション,第7回(平成9年度)地域安全学会研究発表会)
- 25. 災害時の孤立地区における情報伝達方策に関する一考察 : '93鹿児島水害JR竜ヶ水駅災害における乗客意識調査
- 現代社会の「火事・災害考」 : 高齢者社会における安全まちづくりの断面
- 速報・米国同時多発テロ事件 被災現場調査報告--被災者救出と支援活動! ニューヨークで何が行われていたか? (特集1 消防隊員345名が犠牲--米国・同時多発テロ事件(1))
- (株)JCO東海事業所臨界事故--起きてはならない臨界事故が起きた (特殊災害と消防活動--地下鉄サリン事件から5年) -- (原子力災害と消防活動)
- 阪神・淡路大震災から4年--残された安全まちづくりへの課題
- パプアニュ-ギニア大津波災害調査報告 (特報 パプアニュ-ギニア津波災害)